今回は、北斗七星で有名なおおぐま座のご紹介です。この時期になると、しし座やおとめ座などの春の代表的な星座が東の空から登り始め、夜半にはおおぐま座も天頂近くまで上ります。星は、地平線近くにあるときより頭の真上に来たときの方が観望に適しています。
今の時期、夜半ごろ北の空を見上げると、ちょうどこの写真のように、北斗七星が中天高く高くかかっているのが見えます。ひしゃくの先の、Merak と Dubhe という星を結んだ線を 5 倍延長すると、北極星があります。また尻尾の先から 2 番目の星は「ミザール」といい、すぐそばに 5 等星の「アルコル」があります。1.0 ぐらいの視力を試すのに好適でしょう。
北斗七星
さて、ひしゃくの柄の部分は大熊の尻尾にあたりますが、この尻尾の先付近に、あまり目立たない星座「りょうけん座」があります。比較的新しくできた星座で、ギリシャ神話には登場しません。
このりょうけん座には、肉眼では見えませんが「子持ち星雲」として有名な M51 があります。下の写真をご覧下さい。大きな星雲の腕に子供の星雲がくっついて見えますね。しかし実際は、子供の星雲の方がずっと遠くの方にあり、質量も親星雲よりかなり大きいのです。この写真は両方とも、リンクページでもご紹介している Stellar Scenes の栗田直幸さんが撮影されたものです。(二枚の写真は、表示速度を考えて減色してあります。本物の写真は栗田さんのページでご覧下さい。)
子持ち星雲