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春の夜空は、冬に比べるとやや透明度が落ちますが、それでも夜半過ぎまで起きているとにぎやかな夏の夜空が広がってきます。中でも今回ご紹介するいて座(射手座)のあたりは、星雲や星団も数多くあり、天の川の幅も広くて、全天でも一番にぎやかなところです。
この写真の真ん中あたりに、北斗七星によく似た星の列がありますね。これを古くから中国では「南斗六星」と呼んでいます。おおぐま座の北斗七星が「死」を司るのに対し、南斗六星は「生」を司るのだそうです。

いて座

いて座


一方西洋の星図では、この南斗六星を含むいて座は、ケイローンと言う名のケンタウルス(半人半馬族)の姿です。ケイローンは、神々から狩猟や医術、音楽などを授けられて、それをギリシアの英雄たちに教えた人物。そのケイローンが、あるとき弟子の一人であるヘラクレスの放った毒矢に当たってしまいます。非常に苦しみましたが、父親が神様だったので、(双子座の兄弟と同様)不死身に生まれついており、死にたくても死ねません。そこでプロメテウスという巨人神が、身代わりに不死身になってあげて、ケイローンはめでたく死んで星座になったと言うことです。

下の写真は、上の南斗六星の右側あたりを長時間掛けて撮影したものです。実は、ここが我々の銀河の中心部です。さすがに天の川も密度が高いですね。所々暗くなっているのは、星に照らされていない星間物質によって、背後の銀河が隠されているためです。


いて座の銀河


下の写真は、上の写真の中央あたりに見えている M8(干潟星雲)と M20(三裂星雲)を拡大撮影したものです。空の状態さえ良ければ、南斗六星の西側に肉眼でもはっきりと認めることができます。M8 と M20 は、両方とも銀河系内にある巨大なガスのかたまりが、近くにある恒星に照らされて光っている星雲です。「干潟星雲」および「三裂星雲」と言う愛称は、大望遠鏡で見たときの形状から来ています。

これらの写真はすべて、リンクページでもご紹介している Stellar Scenes の栗田直幸さんが撮影されたものです。


M8(干潟星雲)と M20(三裂星雲)

いて座の銀河




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