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冬の夜空は結構明るい星が多いので、都会の空でも十分楽しめます。今回ご紹介するふたご座は、星座としての形も整っており、双子のギリシャ神話もなかなか意味深で、好きな星座の一つです。

ふたご座は、オリオン座とは天の川(と言っても、都会ではまず見えないのですが)をまたいだ反対側あたりにあります。オリオンの四角形の左上隅にある赤っぽい星をベテルギウスと呼びますが、これをさらに左上にずっと伸ばすと、明るい星が二つ並んでいるのが見えるでしょう。これが双子の兄弟の頭です。


ふたご座

双子座



この双子の兄弟は、ギリシャ神話では卵から生まれたことになっています。なぜ卵から生まれたかというと、父親が白鳥だったから。しかしその白鳥は、実は大神ゼウスの仮の姿でした。ゼウスは天でも最も偉大な神なのに、非常に浮気っぽく(その辺が魅力だという意見もあるが)、そのくせ大の恐妻家と来ている。それで好きになった美女レーダにお忍びで逢いに行くときは、怖いお后ヘーラの目を盗んで白鳥に化けていったんだそうな。ご苦労様なことです。

それで身ごもったレーダからは二つの卵が生まれてしまったのですが、その卵から生まれたのはやっぱり人間で、ヘレーネという美女(後にトロヤ戦争の原因となったので、実在の人物だったのかも)と、それから双子のカストールポルックスでした。

成長した二人は戦術と拳闘の分野で名を成し、武勇に優れた若者になりましたが、いつも仲良しでお互いに深い兄弟愛を抱いていました。ところがある日、牛の分配のことでいとこらと争いになり、カストールが殺されてしまったのです。最愛の兄を失ったポルックスは嘆き悲しみました。あまりの悲しみに自ら命を絶ちたいとまで思いましたが、ゼウスの息子として生まれた彼の体は不死身で、自殺さえできません。それならばなぜカストールは死んだのかと思われるでしょうが、これは謎です。いろいろな解釈を考えてみましたが、よく分かりません。

そんなわけで、ポルックスは絶望のあまりとても生きて行けない。それでも死ぬことができない。それで空を見上げては「私も兄のところに連れていってください!」と、泣き叫んでいたのです。その姿があまりに哀れなので、ゼウスは二人を一緒に空に上げて、星座にしたのだそうです。まあ、浮気の結果できた子ではあったけれど、最後は親父の責任をとったと言うことでしょう。

それで双子の兄弟は、今でも本当に仲良さそうに天の川のほとりで寄り添っています。



上の写真では向かって右側にいるカストールの足元あたり、銀河の中に星がたくさん集まって見えているところがありますね。これが 散開星団 M 35 です。双眼鏡か小さな望遠鏡を持っている方は、是非一度ご覧ください。ため息の出るくらい美しい散開星団です。

この写真は両方とも、リンクページでもご紹介している Stellar Scenes の栗田直幸さんが撮影されたものです。



M 35 - ふたご座の散開星団

M35




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